●ビジョントレーニングとは
見るために必要なすべての機能のことを「視覚機能」といいます。視覚機能は大きく3つの働きに分けることができます。最初に、見たものを効率よくとらえて眼に取り入れる「入力」の機能、眼からの情報を脳で分析し把握する「情報処理」の機能、処理した情報をもとに、的確に体を動かす「出力」の機能の3つです。この3つのプロセスがうまく運動しなかったり、一つでも欠けたりしてしまうと、「見えにくさ」が生じて、日常生活に支障があらわれます。この視覚機能を高めるトレーニングのことを 「ビジョントレーニング」といいます。
●なぜビジョントレーニングなのか?
私たちは情報の8割を眼から得ているといわれます。目から得た情報は、脳で情報処理され、その情報をもとに体を動かすという一連の動き(視覚機能)があります。近年この、見え方(視覚機能)に課題があり、学習・運動に支障をきたしている子どもたちの存在が明らかになってきました。そんな子どもたちの見え方を改善するのがビジョントレーニングです。トレーニングにはさまざまな種類があります。一人一人が持つ課題に応じたトレーニングを行っていくことが理想的です。トレーニングの効果として、学習・運動能力の向上や集中力アップなどがあります。具体的には本が正確に読めるようになる、字がきれいに書けるようになる、文字や図形を正しく書けるようになる、球技、ダンスなどが上手くできるようになるなど様々なことがあります。
このような背景から、清眼堂では一人でも多くの子どもさんの視覚機能の向上と、それに伴う学習・運動能力の向上のために、ビジョントレーニングを取り入れてサポート致します。
・同じ行を何回も読んだり、読んでいる場所がわからなくなったりする。
・頭を動かしながら本を読む。
・板書を写すのに時間がかかる。
・手先が不器用で、おはしやはさみをうまく使えない。
・集中して見ることが苦手で、話を聞くときに、たえず視線を動かす。
・ものや人によくぶつかる。 ・投げたボールをうまく受け取れない。
上記のような様子が見られたら「視覚機能」の問題かもしれません。個人差はありますが、 1日5分~10分・3か月継続してトレーニングを行うと効果が表れはじめます。まずは、お気軽にお問い合わせください。
「見る力」を育てるために
★ 視力ではなく「視覚機能」が向上する ★
ビジョントレーニングは、視力を回復させるものではありません。視覚機能を鍛えて総合的な「見る力」をアップさせることで、見えづらさを解消していきます。
●「見えにくさ」は意欲や可能性を失わせる
見る力の弱い子どもは、ものが二重に見える、視点が合いづらいなどの見えにくさがあるため、遊びでも勉強でも多くの労力を必要とします。しかし、努力してもほかの子よりうまくできない場合が多く、「どうせだめなんだ」 「自分には無理」と、苦手意識をもつようになります。苦手なことは積極的にやりたくないもの。「苦手」→「やらなくなる」となり、能動的に見る経験が減って、ますます見る力の発達が遅れるという悪循環に陥ってしまいます。
●発達障害のない子や大人にも効果がある!
「見る力」の問題は発達障害のない子どもにも起こります。また、大人でも書類の見落としやパソコンの入力間違いなど仕事のミスが多い人や、疲れ目やかすみ眼の症状がある人の中には、見る力の問題を抱えている人もいます。そういう子どもや大人にもビジョントレーニングは効果的です。
視覚機能がアップすることで、集中力が上がる、
仕事のミスが減る、車の運転が楽になるなど、
良い効果が出ることが分かっています。
毎日5分のトレーニングで変わる「見る力」
・「見えにくさ」はビジョントレーニングで改善できます
・検査で見る力に問題が見つかったからといって、落胆することはありません。人は生まれてから、さまざまな経験を通してみる力をはぐぐんでいきます。同じように、ビジョントレーニングを続ければ、徐々にものをうまく見る機能を習得できます。
・大切なのは、一人一人に合った適切なトレーニングを行うことです。
ビジョントレーニングの3つの種類と効果
1.眼球運動トレーニング
眼を上下・左右に動かして、視線をスムーズに移動できるような練習をします。繰り返すことで、正確にすばやく眼で映像をとらえる能力が高まります。
・追従性眼球運動トレーニング
線やものを目で追う練習。最初に線の上をなぞって、眼の動きをサポートすることから始める。
・跳躍性眼球運動トレーニング
ある点からある点へと、視線を移動させる練習。目的の場所へ、すばやく眼を動かせるようにする。
・両目のチームワークトレーニング
両眼を同時に動かす練習。寄り眼や離し眼を持続させるトレーニン グなど。
2.視空間認知トレーニング
眼でとらえた映像をもとに、ものの形や位置、距離などを正確にとらえるのが、視空間認知の能力です。これが十分に発達していないと、文字を覚える、書くということが苦手だったり、絵や図をうまく描けなかったりします。
視空間認知は「ものを見て、触って、動かす」という動作を繰り返すことで発達します。そこで、この能力をはぐくむトレーニングでは、主に、見本の形を記憶して、絵やパズルで再現する練習を行います。また、覚えた形を頭の中で反転させるなど、イメージ操作のトレーニングも行います。
3.眼と体のチームワークトレーニング
眼で見たものにすばやく反応して、適切に体を動かすために必要なのが、眼と体のチームワークです。この機能が未発達だと、普通に歩いていても、ものや人にぶつかったり、手先が不器用だったり、球技をはじめとした運動が苦手だったりします。
そういう場合、眼と体のチームワークを高めるために、眼と体を連動させる練習をします。例えば、動くものを眼で追いながら手や足でタッチしたり、人の動きを見本にして、同じように体を動かしたりするトレーニングを行います。